yudutarouログ

Twitter(ID:yudutarou)で観た映画を確認しようとしたら非常に面倒だったので、メモになるつぶやき(主に映画とか音楽)を移植。なので2014年まで時系列バラバラ。

2020-04-01から1ヶ月間の記事一覧

昏き目の暗殺者 上・下 (ハヤカワepi文庫) / マーガレット・アトウッド著、鴻巣 友季子訳

昏き目の暗殺者 上・下 (ハヤカワepi文庫) / マーガレット・アトウッド著、鴻巣 友季子訳 物語進行とは異なる階層のミステリとして機能させる語り手の曖昧さや、年代記、恋愛物、B級SFといった複数のジャンル小説として楽しめる入れ子状の構成など、重層的…

丕緒の鳥 (ひしょのとり) 十二国記 5 (新潮文庫) / 小野 不由美 著

本編では日の当たらない末端の役人たちの仕事ぶりを描く短編集。シリーズのディテールをより深める意味合いを感じつつ個人的には初めて物語に乗れなかった。例えば死刑制度を考察する『落照の獄』など、このシリーズでは現実世界の諸問題も俎上にあげて語れ…

風の万里 黎明の空 (上・下) 十二国記 4 (新潮文庫) / 小野 不由美

前作でファンタジーというよりは架空歴史物のような普遍的な物語にシフトした印象を受けたんだけど、かなりの長編の今作はさらに王道娯楽小説になっていて、遠山の金さん的なカタルシスと王様が在野で仲間を集めるという直球な展開が楽しい大作だった。 それ…

まんがの作り方 全8巻 (リュウコミックス) / 平尾 アウリ

『推しブドウ』が面白いんで過去作品にも手を出してしまったが、面白かった。決して予定調和的には物語が熱を帯びていかず、独特の平熱感が最後まで徹底していて、主人公の川口さんと森下さんの関係性の心地よさで作られた世界を眺めて楽しむことに特化した…

東の海神(わだつみ) 西の滄海 十二国記 3 (新潮文庫) / 小野 不由美

前作まででいいところ全部持っていっていた延王と延麒が主役ということもあって、敵味方がわりとハッキリとしたオーソドックスに進行する物語で、キャラクター物としてもシリーズが展開していくのかな、という印象。こちらもすでに世界観と登場人物に愛着湧…

風の海 迷宮の岸 十二国記 2 (新潮文庫) / 小野 不由美

現代日本を舞台にしたホラー『魔性の子』の裏設定として存在した異世界の物語を、異世界側から語り直すことによって物語世界の表裏を逆転させてこちらを表側とするシリーズへ変換させた作品で、それがその後も続く長寿シリーズになっていったという文脈だけ…