クローネンバーグの息子だという色眼鏡で観るのは失礼だろうと思って見始めたが紛うことなく変態の系譜でやはり血は争えない。全体的にビデオドロームが下敷きな感じだし、パパと同じ女優使うし、あえて初期父作を目指したのか。 とはいえパパが人体を無機質のように扱いつつも観る側と地続きの欲望を根底に漂わせているのとは対照的に、こちらはセレブという題材からして描かれる世界が他人事にしか感じられず映画そのものが無機的にも感じられた。
しかし主人公が変形するシーンなどは鉄男Ⅱを思い出したり、その主人公も独特の格好良さがあったりで、作品として面白いかどうかは微妙だったが何か独自のものを作るんじゃないかっていう予感はかなりした。