一幕目は『仮面ライダーディケイド 完結編』。
世界の崩壊を止めるため歴代の仮面ライダーを次々と倒した仮面ライダーディケイドこと門矢士(井上正大)、しかしディケイドこそ世界の破壊者であった。そんな彼を止めるため光夏海(森カンナ)、小野寺ユウスケ/仮面ライダークウガ(村井良大)、海東太樹/仮面ライダーディエンド(戸谷公人)らが動き出す中、ゾル大佐となった鳴滝(奧田達士)、スーパー死神博士となった光栄次郎(石橋蓮司)らはスーパーショッカーとして世界征服を企む。
今作を見ただけではなぜ他の仮面ライダーを倒すと世界が救えるのか、など根本のストーリーは全く理解出来ないのだが、子供向けシリーズでメタSF的な物語を展開させる暴走ぶりには好感がもてた。で、よくわからないままに歴代の仮面ライダー世界をパラレルワールドという設定にして、このディケイドというシリーズでそれを連結させたということだと理解したが、今作以降から歴代の仮面ライダーが気軽に各仮面ライダー作品に登場しやすくなったというのは大きな功績だろう。ある意味仮面ライダーシリーズという世界を救ってるのかも知れない。
作品としてはまさかのタックル登場、そして演じているのが広瀬アリス、とか、森カンナまで仮面ライダーに変身してしまう、などなど想像の上を行くキャラクターの使い方がただでさえ暴走気味の世界設定を加速させていて、珍妙な面白さがあった。
二幕目は『仮面ライダーW ビギンズナイト』。
左翔太郎(桐山漣)、フィリップ(菅田将暉)は2人で1人の「仮面ライダーW」に変身して風都を襲う悪と戦っている。その2人が籍を置く鳴海探偵事務所に死んだ姉を探してほしいという調査依頼がくる。風都ではその依頼の件以外でも死者が度々目撃されていた。そして調査を始めた2人の前に、この世を去ったはずの探偵の師匠・鳴海荘吉(吉川晃司)が突然現れる…。
こちらは仮面ライダーW誕生編ということで初心者にも優しい物語展開。吉川晃司の仮面ライダースカルがけっこうカッコ良かった。ちょっとハードボイルド風味で何となくサスペンスタッチ、という特撮ヒーロー物として丁度良い感じの味付けが現在進行形で毎週楽しませてもらっていた『仮面ライダードライブ』っぽいなと思ったが、どちらも三条陸脚本で納得。
三幕目は『MOVIE大戦2010」。一幕目のディケイドとスーパーショッカーの対決に死者を擬態していたダミー・ドーパント(手塚とおる)を追跡していたWが合流、ディケイド&Wとスーパーショッカーによって作られた怪人との対決へ突入する。ここは映画祭りのエピローグ的な部分なので、本筋との関係性などはどうでもいい派手なアクションのみのパートなんだけど、巨大メカ対決でのCGなどよく出来ていて、素直に楽しかった。
全体としてもお腹いっぱいてんこ盛りで、イベント作品としては充分楽しめる映画だった。