yudutarouログ

Twitter(ID:yudutarou)で観た映画を確認しようとしたら非常に面倒だったので、メモになるつぶやき(主に映画とか音楽)を移植。なので2014年まで時系列バラバラ。

ダゲレオタイプの女 (2016・仏、ベルギー、日)

    若者ジャン(タハール・ラヒム)は高名な写真家ステファン(オリヴィエ・グルメ)の助手として働き始める。ステファンはパリ郊外の自らの屋敷で、長時間にわたる拘束器具での固定を必要とする世界最古の撮影技法「ダゲレオタイプ」による撮影を娘のマリー(コンスタンス・ルソー)を被写体として行なっていた。やがてマリーと恋に落ちたジャンだったが、屋敷には同様にモデルとなっていたマリーの母親が自ら命を絶った過去が暗い影を落としていた。そんな中、レストランでステファンの仕事仲間ヴァンサン(マチュー・アマルリック)と偶然出会ったジャンは屋敷が都市再開発の予定地に建っており、今なら高値で売れることを知らされるのだが…。監督・脚本:黒沢清、撮影:アレクシ・カヴィルシーヌ、音楽:グレゴワール・エッツェル。

 

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    いつものホラー映画、犯罪映画の要素に欧州怪奇映画テイストまでぶち込みつつキヨシ史上稀に見る切なくロマンチックなテイスト溢れる映画だった。

 

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    これまでの作品と同様に扉などの無機物をただそのまま写しているだけなのに不気味に感じさせてしまうような感覚がありつつ、それが少しだけ欧州仕様のムードになっていて趣きがあったり、ゴシック風味がギャグすれすれな幽霊表現が楽しかった(温室で登場する母親の幽霊演出は漫画版「AKIRA」で時空を飛んで来た金田くんみたいだったよ)。

 

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    あと、顔付きは綺麗なんだけどどこか不安げで儚げなのがいかにも黒沢清作品に登場してきそうなタイプのヒロイン、コンスタンス・ルソーの瞳が常に揺れ続けているのも不安感を煽っていて良かった。これか演出なのか元よりそういう癖なのかは分からないんだけど。

 

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    他にもフランスで撮影なのに郊外の雰囲気はいつもと同じだったり、映画が犯罪映画方向にシフトする発端、つまりジャンが悪い方向に向かってしまうのがちょっとしたネコババを契機としていて実は道徳的な話たったりするとか、色々と面白いポイントがあった。結論としては黒沢清はどこで撮っても黒沢清映画になるんだな〜というとこかな。

 

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『ダゲレオタイプの女』予告編 - YouTube

 

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