2014-12-14 天狗 (大坪砂男全集2) (創元推理文庫)/大坪 砂男 書籍 大坪砂男が『天狗』一作のみの作家のような書かれ方をしていたりして、しかし第一集を読んだら傑作短編ばかりじゃないかと思ったんだけど、今回第二集で『天狗』を読んだら、確かにそう語られるのも無理ないかなというぐらい独特の作品で、笑いと狂気の境界のような内容と、畳み掛けるような語り口に、筒井康隆を連想したりもした。しかし他の作品も、『密偵の顔』の人格乗り移りは、アイデアとしてはスキャナーズだな、とか思ったり、やはり色々楽しめた。