登場人物たちをオムニバス的に描きながらラブホテルという一点でそれぞれを交差させるという手法自体はよくあるし、分かるんだが、それにしても偶然が重なりすぎて必然の見えない作りだった。刑事も泊まりにくれば、主人公・徹の妹がAVの撮影で偶然やってきたりもする。それ『桃木屋旅館騒動記』でもやってたが、あれはコメディだったし、こちらは一応リアリテイ路線なんで、あんまりだと思ったがどうなんだろう。
あとラストでの徹の行動が、それまで映画が描いて積み上げてきたものと繋がらず、そもそも何故『さよなら歌舞伎町』なのかがよく分からなかったし、背景に震災を入れ込むのも中途半端な扱いに感じたが、背景描写にヘイトスピーチデモが映り込んだ場面など、物語以上に生々しい気色悪さを感じさせられた瞬間もあるにはあった。
しかし元々あっちゃん目当てだったので、そこがどうか、というところが肝要だが、出番は少なかった。ゲスト出演と言ってもいいぐらい。それに舞台設定からしていかにも廣木隆一っぽい内容なので(*勝手なイメージ。最近のフィルモグラフィー見たら感動物のようなタイトルが並んでた…)やっぱりバリバリ脱いでるイ・ウヌの方が映画に合ってたし存在感もデカかった。というかイ・ウヌが良かったな…。