webでの公開後、クレームによって修正されていた犯人像が今回の単行本で再び修正され、ニュアンス的には元の感じに近くなって、京本と犯人がともに藤野の枝分かれた分身としても読めるようになったのは良かった。そのことと、創作による暴力へのアンサーがただでさえ熱い青春物に更なる厚みを加えていて凄い作品になっていた。あと、タイトルや最初と最後のコマの書き込みから今作がoasisの名曲に何らかのオマージュがあるとは推測出来るのだけど、確かに今作からは当時oasisに惹きつけられた、ただ能天気な応援ソング的なものではないポジティブさを感じた。あの曲がテロへのアンサーソングに期せずして成ったことは関係しているのか分からないが、しかし最後のコマのangerに打ち消し線が見えるのは意味深だとは感じた。ただ、エヴァンゲリオンにどっぷりハマったオタクみたいに、表現された点と点を繋いで直接描かれていない部分を想像で補うような楽しみ方は、そこに表現の真意などを感じるのではなく、単に創作物の枝葉を妄想するだけならば不毛だと思ってるので、そこはあんまり気にしません…。