yudutarouログ

Twitter(ID:yudutarou)で観た映画を確認しようとしたら非常に面倒だったので、メモになるつぶやき(主に映画とか音楽)を移植。なので2014年まで時系列バラバラ。

日本の熱い日々 謀殺・下山事件 (1981)

    昭和24年、国鉄初代総裁下山定則が線路上で轢断死体として発見されるという『下山事件』が発生。新聞記者矢代(仲代達矢)は自殺説、他殺説飛び交うこの事件を追ううちに、GHQ、日本政府の陰謀と、戦後日本の闇を垣間見る。監督熊井啓、脚本菊島隆三

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    仲代達矢の過剰な熱演が凄くて、特に前半で、相棒の刑事(山本圭)と荒天の中で事件のヒントを発見するシーンでは、大仰に盛り立てる演出と二人の過剰なエモーションによってBL的な世界に突入したのかと思うぐらいの勢いだった。

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    しかし元々が未解決の事件で、真相の明かされることのない物語なので、劇的に展開することのない地道な捜査・取材の過程を映画として盛り上げていくにはこのぐらいの演技がちょうど良かったりするのだろうか。熱演と言えば後半出てくる隆大介が、内容的にも物語映画的展開へ加速していくこともあって印象的だった。粗暴さと気弱さが同居しているようなキャラクターにハマっていた。スコセッシの新作にも出て欲しかったなあ。

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    物語としては未解決事件ならではのモヤモヤ感の残る映画だが、個人的には俳優陣の過剰な熱演に加えて80年代の初頭に作られた映画ながら戦後の寒々しさとその後の変容をリアルに感じられる映像を見せてもらえただけで十分に楽しかった。


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