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yudutarouログ

Twitter(ID:yudutarou)で観た映画を確認しようとしたら非常に面倒だったので、メモになるつぶやき(主に映画とか音楽)を移植。なので2014年まで時系列バラバラ。

あやしい彼女 (2016) / 怪しい彼女 (2014)

    出世した一人娘(小林聡美)の自慢や自己中心的な振る舞いから町内で煙たがられている73歳の瀬山カツ(倍賞美津子)。ある日娘と喧嘩して家を飛び出したあと、とある写真館を見つけて記念撮影をしてみるが、撮影を終えて店を出たカツは20歳の姿へと若返っていた。好きなこともせず女手ひとつで子を育ててきたカツへの神様からの贈り物だと事態を受け入れたカツは大鳥節子(多部未華子)と名乗り、幼馴染みの次郎(志賀廣太郎)の家に居候して孫の翼(北村匠海)のバンドでボーカルをするなど新しい人生を始める。そんな彼女の歌声を音楽プロデューサーの小林(要潤)が偶然耳にするのだが…。監督水田伸生、脚本吉澤智子、音楽三宅一徳、劇中歌プロデュース小林武史

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   多分ネタバレしてる。

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   韓国映画『怪しい彼女』(2014年ファン・ドンヒョク監督)のリメイク。韓国オリジナル版と比較すると文化的モラル的な差異による違和感を薄めるような改変が随所に施されていて、そこら辺は上手かった。例えばオリジナル版では赤ん坊が泣いて困っている若い母親に対してハラスメントそのものな対応で迫る主人公が単なる老醜しか感じさせないが、多部ちゃん版では母親の状況に寄り添って情け深い対応をしてみせて、主人公が年齢を重ねている意味を持たせつつちゃんとキャラも立たせていた。幼馴染みの次郎(韓国版ではパクさん(パク・イナン))がなぜそこまでカツ(韓国版ではオ・マルスン(ナ・ムニ))に尽くすのかについてもちゃんと掘り下げられていて、観ていて納得度が高い。あと、韓国版では老人バージョンの主人公がスクーターにニケツする場面を冒頭で見せてしまっているが、多部ちゃん版では全てが終わったあとに、スクーターにニケツして憧れの『ローマの休日』をなぞることで年老いた自分自身を肯定する場面になっているのも映画として綺麗に閉じていた。

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     中でも一番大きかったのは主人公の子供が息子から娘に変更されているところで、老女と若者の間に中年女性を加えたことにより、女性が年齢を重ねることの意味を考えさせるテーマがより鮮明になっていたし、韓国版での主人公と息子のマザコン的気色悪さも解消されていた。

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    ただ孫の翼のキャラクターやエピソードに関しては意味不明な改変が施されていた。前衛的なメタルバンドをやっていたら主人公節子にダメ出しされてあっさり路線を変更するポリシーの無いキャラクターで、音楽的評価全く無しに業界のプロデューサーが節子の歌とルックスを気に入ってフェス出演を決めるも曲をダメだしされてヘソを曲げ、しかしどうにか一念発起したら一晩頑張っただけでイイ曲出来ました!という順を追って見ても意味不明な流れ、しかもそのイイ曲というのがそれまでの昭和歌謡の名曲カバーからあまりにかけ離れたフツーのJ-POPでガクっとなる。なのでテーマとは別に用意された物語の軸となるバンドのサクセスストーリーとしては非常におかしなことになってしまっていた。韓国版のように演奏シーンで弾いてる楽器と全く関係ないオケが流れるというようなことは無かったけど。

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    あとお婆さんバージョンの主人公のエキセントリックな部分が減退しているのは日本版としてちょうどいい塩梅だったり、長尺冗長なところはそのままだったり、という感じか。

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     などと韓国版と比べてみてゴチャゴチャ書いてしまったが結局多部ちゃんが可愛い服を着て歌いまくるというだけで価値ある映画。韓国版の主人公オ・ドゥリ役のシム・ウンギョンもファニーな表情が面白かったけど、白目演技をはじめ変顔のオンパレードと歌唱シーンでの切なく深みのある表情など幅広く魅せてくれる多部未華子は最高だった。しかし中身は倍賞美津子という設定なのでアイドル映画としてはややブレーキかかるんだけどね(そこがまた深みだったりする)。

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⇩は韓国版
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