幼少時から群を抜いた身体能力とテクニックを活かし地元サッカークラブで活躍してきた恩田希(島袋美由利)は、中学生になり仲間のテツ(内山昂輝)やタケ(逢坂良太)とサッカー部に入部したが、性別による身体差と顧問の方針によって公式戦に出してもらえなくなっていた。それでも幼馴染でマネージャーの佐和(若山詩音)らの応援を受けて前向きな努力を続けていた希は、新人戦の対戦相手に幼馴染のナメック(土屋神葉)が在籍していることを知り、何としても試合に出場しようと奔走する…。
原作:新川直司、監督:宅野誠起、脚本:高橋ナツコ、キャラクターデザイン:伊藤依織子、美術監督:齋藤幸洋、CGディレクター:松嶋古記、音楽:横山克、アニメーション制作:ライデンフィルム。
原作、TVともに未見だが、映画は前日譚らしいので丁度良かった。超前向きな恩田(主人公)のキャラに燃えるし、試合におけるグラウンドを俯瞰から捉えて縦横に動き回るCGの使い方も気持ち良くて、いい映画だった。気になったのは恩田の弟くんの扱いで、ギャグテイストで描かれているとはいえトラウマレベルの仕打ちに対しては、ちゃんと後日譚(テレビ版)で救済するんよね、とは思った。
というのが直後のTwitterに上げた感想だけど、その後にテレビ版も追いかけて全部見た。テレビ版は様々なキャラクターにその都度焦点を当てつつ進めていくオーソドックスな部活物の展開になっていて、そのことで劇場版の方はテーマとしてスポーツにおけるジェンダーの問題を扱ったり、幼馴染との再開、決着という一本の筋道を明確に立てるなど、一つの作品として考えた構成になっていて、作画のクオリティも含めてちゃんと映画仕様になっていたのが改めて分かった。しかしテレビ版の方もそれはそれで面白かったし、やっぱり未完なので続きが見たいとは思った。
で、問題の弟くんの扱いの方は、一応シリーズ後半で恩田の試合に仲間たちとやってきて屈託無く応援していたので、ちゃんと折り合いはつけられたのかな、という想像が働く感じにはなっていた。なので、まあ、いいのかな…。あと、劇場版から見た方が絶対楽しめたので劇場版→テレビ版で正解ルートだったよ。
『映画 さよなら私のクラマー ファーストタッチ』第2弾本予告 - YouTube