2020-03-29 月の影 影の海 (上・下) 十二国記 1 (新潮文庫) / 小野 不由美 書籍 隅々までに構築された「異世界」のオリジナリティと存在感で現実におけるそれとは別次元のリアリティを楽しめて面白かった。当時のラノベ界に異世界転生物というジャンルが確立されていたかどうかは知らないけど、もし今作がその先鞭をつけていたとしても、文体や言葉選びにここまで拘って世界を構築した面白味は凡百の作家には簡単に模倣出来きそうにない。それにしてもラノベの刊行物として世に出たというのに主人公陽子が泥にまみれて這いつくばって異世界を彷徨う展開が全くライトじゃなくて良かった。