yudutarouログ

Twitter(ID:yudutarou)で観た映画を確認しようとしたら非常に面倒だったので、メモになるつぶやき(主に映画とか音楽)を移植。なので2014年まで時系列バラバラ。

Courtney Barnett & Kurt Vile / Lotta Sea Lice

    企画モノだし緩い感じかなと思っていたら凄く良かった。この作品の為のカート曲はキャッチャーなメロディーが際立っていたし、カヴァーの選曲もハマっていた。2人の相性の良さはもちろんだけど他の参加メンバーの演奏も良くて、くつろいだ雰囲気でありつつ引き締まってユルくない絶妙な気持ち良さだった。

 

Courtney Barnett & Kurt Vile - Over Everything (Official Video) - YouTube

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発売日 2017/10/13
収録楽曲
1. Over Everything
2. Let It Go
3. Fear Is Like A Forest
4. Outta The Woodwork
5. Continental Breakfast
6. On Script
7. Blue Cheese
8. Peepin Tom
9. Untogether

奥田民生になりたいボーイと出会う男すべて狂わせるガール (2017・日)

   奥田民生に憧れる雑誌編集者のコーロキ(妻夫木聡)は畑違いのライフスタイル雑誌編集部に異動となり戸惑う日々だったが、一目惚れした取引先のファッションプレスの美女、天海あかり(水原希子)と付き合うことになって俄然やる気を出し、編集長木下(松尾スズキ)の助力もあって倖田(リリー・フランキー)や美上(安藤サクラ)といった曲者揃いのライターとの仕事をこなしていく。しかし会う度に目まぐるしく性格や気分が変化するあかりに振り回され、何か企んでいるらしいあかりの元カレで先輩編集者の吉住(新井浩文)のことも気になるなど奥田民生のように飄々とはなかなか生きていけないのだった…。

監督・脚本:大根仁、原作:渋谷直角、撮影:宮本亘、美術:都築雄二、スタイリスト:伊賀大介、音楽:岩崎太整

 

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   本当の奥田民生には何も思うところはないけど、そのパプリックイメージとそれに憧れるメンタリティは嫌いなので一体どんな内容の映画だろうと思って観たけれど、あんまり奥田民生は関係無くて、それよりも序盤で話題を振っておいて最後に寄り目ギャグに帰結させる志村けんへのこだわりが印象に残るなかなか謎の展開の映画だった。

 

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    物語自体はキャラクターありきのテレビドラマみたいで、犯人探し的展開もキャスティングの時点でネタバレ甚だしかったが、あるあるネタと役者の演技は楽しかった。特に新井浩文はどんな役やっても何やってもハマるのが凄いと思ったし、水原希子も良かった。ただ水原希子のキャラクターは主人公の幼い視点からはミステリアスな存在であっても俯瞰で見ればちゃんと何かを考えている血の通った人間として描いてくれないと最後までタダの嫌なやつ、もしくは狂人としか思えないので、全く理解不能のサイコパス扱いにしてホラーにするつもりだったなら別だけど、そこはどうにかして欲しかったし、せっかくの水原希子の熱演が勿体無いと思った。

 

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『奥田民生になりたいボーイと出会う男すべて狂わせるガール』予告編 - YouTube

 

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Julien Baker / Turn Out The Lights

    最初はあまりに感情過多な歌声に苦手意識が湧いてキツく感じたのに聴く度にその声が演奏に溶け合って一個の音塊として気持ち良く響きだして、何度も繰り返し聴いてしまった。傑作です。

 

Julien Baker - "Turn Out The Lights" - YouTube

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発売日 2017/10/27
収録楽曲
1.Over
2.Appointments
3.Turn Out The Lights
4.Shadowboxing
5.Sour Breath
6.Televangelist
7.Everything That Helps You Sleep
9.Happy To Be Here
10.Hurt Less
11.Even
12.Claws In Your Back
13.Red Door -Demo- *Bonus Track for Japan
12.Funeral Pyre *Bonus Track for Japan

SPIRIT FEST / Sprit Fest

   テニスコーツ+マーカス・アーチャーのコラボアルバム、期待通り良かった。マーカス・アーチャーのやってるノーツイスト風味は抑え目、ほぼテニスコーツみたいだけどいつもより若干インディロック寄りになった感じか。なので曲によってはヨ・ラ・テンゴ辺りの雰囲気もあったよ。

 

SPIRIT FEST / River River - YouTube

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発売日 2017/10/24
収録楽曲
1.Deja Vu(デジャ・ヴュ)
2.Rain Rain(レイン・レイン)
3.Nambei(南米)
4.River River(リバー・リバー)

5.Inklings(インクリングス)
6.Hitori Matsuri (ひとり祭り)
7.Shuti Man (シュッティ・マン)
8.To the Moon(トゥ・ザ・ムーン)
9.Take Me Home (テイク・ミー・ホーム)
10.Mikan(みかん)
11.Donguri (どんぐり)※ボーナストラック

スカート / 20/20

   過剰なプロダクションが施される訳でもなく、いい意味で変わらない、でも確実にブラッシュアップされた楽曲群という理想的なメジャーデビュー盤。とにかく声がいいです。

 

スカート / 視界良好【OFFICIAL MUSIC VIDEO】 - YouTube

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発売日  2017/10/18

1. 離れて暮らす二人のために
2. 視界良好
3. パラシュート
4. 手の鳴る方へ急げ 5. オータムリーヴス
6. わたしのまち
7. さよなら!さよなら!
8. 私の好きな青
9. ランプトン
10. 魔女
11. 静かな夜がいい

CHAI / PINK

    音自体はニューウェーブ風味にバラエティ豊富なギターロックと好きな音が詰まっていて楽しい。ただ歌詞や全体を覆う世界観が単純というか無責任なメッセージ性を帯びていて、ちょっと引き気味にもなる。好物と苦手料理が同じ皿で出てきたみたいな感じだけど、不味い、もう一杯!的な感覚で聴きました。

CHAI『N.E.O.』Official Music Video - YouTube

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発売日  2017/10/25

収録楽曲

01 ハイハイあかちゃん

02 N.E.O.

03 ボーイズ・セコ・メン

04 ほれちゃった

05 フライド

06 あのコはキティ

07 ぎゃらんぶー

08 かわいいひと

09 ウォーキング・スター

10 sayonara complex

11 フラットガール

パターソン (2016・米)

    ニュージャージー州のパターソン市で暮らすバス運転手パターソン(アダム・ドライバー)は愛する妻ローラ(ゴルシフテ・ファラハニ)と愛犬マーヴィン(ネリー)とともに慎ましい毎日を送っていた。町の人々の日常を見つめながらバスを運転し、帰宅して妻と過ごし、愛犬と夜の散歩へ行ってドク(バリー・シャバカ・ヘンリー)のバーで少しのアルコールを飲む。バーではエヴェレット(ウィリアム・ジャクソン・ハーパー)がマリー(チャステン・ハーモン)との別れ話で騒ぎを起こしたりもするが、特に大きな事件が起こるわけではない。そしてパターソンはそんな日々を詩にして秘密のノートに書き記していく。

監督・脚本:ジム・ジャームッシュ、撮影監督:フレデリック・エルムズ、プロダクションデザイン:マーク・フリードバーグ、編集:アフォンソ・ゴンサルヴェス、衣装:キャサリンジョージ、音楽:SQÜRL、詩:ロン・パジェット。

 

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   犬も含めて役者がみんな良かった。アダム・ドライバーのおっとりとして、ぼんやりした表情が映画の雰囲気を心地良く作っていて、ゴルシフテ・ファラハニの美人なのにどこかズレてる佇まいも微笑ましかった。永瀬正敏の日本の詩人というかサラリーマンの登場も最初は唐突に思えて、しかも作品からするとちょっとエキセントリック過ぎるキャラクターに見えて違和感が強かったんだけど、観終わってから思い返すと段々と良くなって、連発するA-Ha?も脳内で繰り返される度に心地よくなっていった。

 

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    作品そのものは、羨ましくて妬ましさすら感じるほどの「普通の日々」を淡々と映し出しているようだけど、現実的には人種が溶け合い、お互いが思いやりに溢れたコミュニティというのはあり得なくて、それをジャームッシュが敢えてファンタジーとして文字通りに詩的に提示しているのが感動的だった。イラン人のゴルシフテ・ハラファニをパターソンの奥さんとして配したり、黒人をステレオタイプに描かなかったりとキャスティングやキャラクターの性格付けも意識的だし、生活空間を彩る様々な作り込みのセンスの良さでありふれた毎日が実は素晴らしいと謳うよくある胡散臭い映画に堕ちない上質さを保っていた。あと音楽の雰囲気がジャームッシュ作品に抱くイメージとは随分と変わって今時な感じだと思ったんだけど、それも本人がやっていて結構意外だった。

 

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    象徴的に繰り返し登場する双子に関しては、主人公パターソンとパターソン市という同名の人と町の物語であることや、主人公夫婦、サイドストーリーのエヴェレット&マリーなど対の関係性と繋がっているのかなと考えたりもしたけど、あんまりしっくりくる解釈は思い当たらず、ジャームッシュの意図も分からなかったんだけど、当たり前の日常の中に不思議さが入り込んでくるような効果は感じた。そこら辺もわざとらしさで嫌味を感じる事もなく、じわじわと良さが増していく映画だった。

 

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映画『パターソン』予告 - YouTube

 

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