センスが良くてお洒落で上手くて面白い、しかもハートがある。何なのこの人…。今作は中でも箱庭的な物語世界の完成度高かった。暴力とアクションもかなりあって驚くが、作り物としての免罪符が効いているから、死んだのこの人じゃなくて良かったとか本来気分が悪くなるところも巧みに回避。しかも物語世界ではちゃんとリアルに感じて楽しかった。
『三丁目の夕日』的ノスタルジー要素も、漠然と昔は良かったではない。無邪気な希望のようなものが失われた、もしくは元より無かったと自覚しつつ、作品で現出させようとしていて泣ける。役者も皆いい味だった。元々異常に若いティルダ・スウィントンに婆さん役やらせたりするのは余裕の遊びどころなのか(元気な婆さんをやらせるという意味では合理的?)。エンドロールまで気付いてなかったけど。