内気で消極的な少女・桂木万里(原田知世)が、亡くなった父(高橋幸宏)が幼少の頃に「天国にいちばん近い島」だという話をしてくれたニューカレドニアを訪れ、偽ガイド深谷(峰岸徹)や日系の青年タロウ(高柳良一)と出会い、成長する姿を描いた青春映画。大林宣彦監督作品。
今観て良かった。時代が回ってちょうどいい発酵具合になっていて、楽しめた。公開時はもちろん原田知世の全盛期で、その存在感だけで楽しめただろうけど、今よりもう少し前に観ていたら旬のものだけに旅情的な部分やファッションに古さを感じるほうが先立ってしまったと思う。今観るともはや全く異質な外国映画を観るように楽しめてしまった。
しかし原田知世のアイドル的な佇まいは今観ても十分通用するレベルで、メガネを掛けた姿、メガネを外した姿、メガネのずれた姿にどじっ娘ぶりとオタクの愛する女のコの源流の詰まっている感じ。そして高橋幸宏の変わらなさ…。
プロット自体は女のコが一人旅して成長するという何てことのないものだが、原田知世が発熱して死線をさまよったのちに大人へと変貌するシークエンスでの彼女への視線には大林イズムというか大林監督の鼻息感じらて良かった。