監督:マット・リーヴス。
金に物を言わせてメカとスーツで超人化という部分までも極力排したリアル路線でやっているので、鍛えたボンボンがスーツ着てるだけ。スーパーヒーロー感は皆無。それはヴィランや物語も現実的な犯罪映画の形式で見せていこうというスタイルを遂行するためなんだけど、おかげで着ぐるみをきたコスプレごっこ遊びの雰囲気が醸し出されて馬鹿っぽくもなるという、映画の狙いとは真逆の効果をも生み出していて、結論からいうと映画に必要なのは現実に即したリアル感ではなくて、映画世界に即したリアル感だよなというのをあらためて感じた。まあ、そもそもどシリアスになる度にアメコミ映画である必然性と齟齬が生じるのは仕方無いとしても、これ程の大仰さと冗長さを必要とする話では無いだろとは思った。しかしこの一本にバットマン映画のあれこれを色々詰め込んだ特盛弁当的な楽しさはあって、ブルース役のロバート・パティンソンもカッコ良いし、嫌いでもないんだけどなあ、という微妙な作品。
映画『THE BATMAN-ザ・バットマン-』US予告 2022年春公開 - YouTube