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yudutarouログ

Twitter(ID:yudutarou)で観た映画を確認しようとしたら非常に面倒だったので、メモになるつぶやき(主に映画とか音楽)を移植。なので2014年まで時系列バラバラ。

人生スイッチ (2014)

     ペドロ・アルモドバルのプロデュース、監督ダミアン・ジフロンによる6編のブラックコメディを収めたオムニバス映画。

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    エピソード順に見ていくと、1本目の『おかえし』はワンアイデアで話運びの無理矢理さと荒唐無稽さで、この映画がわりと何でもアリな短編集であることが分かるイントロダクションとして機能している。この時点でキャラクターから距離を置いた語り口、日常の風景をヴィヴィッドな色使いで見せる映像など独特のムードが漂っていた。

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    2本目は『おもてなし』。ダイナーにやってきた悪人を店主の殺人おばさんが殺そうとするという話で、普通だと教訓話や救いが作品内に込められそうなところを捻りもなくそのまま見せちゃうのが逆に新鮮で頭おかしくて楽しい。車で追い越しざまに罵倒した田舎者にヤッピーが復讐されてバトルになる3本目の『エンスト』や、妊婦を車で撥ねた息子を富豪が金で何とか救おうとする5本目『愚息』もそのテイストで、人間のイヤな部分をストレートに見せて笑いにしてしまっているのも潔いほど意地が悪い。

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    性格の悪さから家族も職も失い暴走する男を描いた4本目『ヒーローになるために』、結婚式で新郎の浮気を知り互いのエゴ剥き出しのバトルになる6本目『HAPPY WEDDING』は、ともに散々暴走したあとでちょっといい話風に終わるんだけど、どう考えても感情移入出来ない主人公たちに幸せそうにされても、それでいいのかよ、という釈然としない気分にさせられるのが味だった。

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    これがハリウッド映画や日本映画だったらありきたりなオムニバスに感じただろうが、アルゼンチンという普段接しない特異な文化圏のセンスが新鮮で、製作のアルモドバルに通じる珍奇な味わいがあった。音楽の使い方もそんな異物感を増幅させていた。物凄い傑作というわけではないけど時々観たくなるような作品。


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