読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

yudutarouログ

Twitter(ID:yudutarou)で観た映画を確認しようとしたら非常に面倒だったので、メモになるつぶやき(主に映画とか音楽)を移植。なので2014年まで時系列バラバラ。

オカルト (2008)

   3年前のとある観光地で起きた通り魔殺人事件を追う映像制作会社のディレクター白石(白石晃士)は、事件の唯一の生き残りで、現在はネットカフェに寝泊まりしながら派遣の日雇いで生活をしている江野(宇野祥平)を取材する。彼は事件のあと、身の回りで「奇跡」が発生していると証言。白石は彼の言う奇跡を映像に収める為、カメラを貸し出し取材への協力を要請するのだが…。監督・脚本・撮影・白石晃士。

f:id:yudutarou:20160604123934j:image

    観ているこちら側が案内役である白石晃士とともに狂人の内部へ寄り添い同化していく過程が怖すぎる。狂人の江野くんは超電波な人なので普通の作りでは全く共感出来る筈のない人間なのだけど、フェイクドキュメンタリーという形式によって白石晃士とともにズルズルと彼に同化されて行く。なのでもっともマトモな人間であるADの女性(東美伽)が、段々と理解のないウザい人間であるかのように感じられてしまう恐ろしさ。でもちゃんと最終的にはモラル的に罰を受けるという決着は着けてくれる。もっとも共犯者としての白石晃士は刑事的な罰のみを受けるだけで、わりとのうのうとしているのだが、これは逆に映画製作者の業の恐ろしさを見せているようにも感じられて、ホラーとして敢えてそうしているのか。

f:id:yudutarou:20160604124124j:image

    一番怖いのは狂人が犯行に至る理由にオカルト的なものが使われてはいるものの、あまりにリアルで現代的な〈格差によってこぼれ落ちてしまった人間の気分〉というのがより根本的な動機になっているところ。あと時々気を利かせたりする一方で、急に馴れ馴れしくなったりする江野くんのキャラクターが真に迫っているのと、演じる宇野祥平の顔も怖くてゾワゾワした。真面目な顔でニセインタビューに答える黒沢清も見どころだ。

f:id:yudutarou:20160604123943j:image


f:id:yudutarou:20160604124220j:image