2020-04-09 風の万里 黎明の空 (上・下) 十二国記 4 (新潮文庫) / 小野 不由美 書籍 前作でファンタジーというよりは架空歴史物のような普遍的な物語にシフトした印象を受けたんだけど、かなりの長編の今作はさらに王道娯楽小説になっていて、遠山の金さん的なカタルシスと王様が在野で仲間を集めるという直球な展開が楽しい大作だった。 それぞれ出自や立場の異なる主人公たちの物語を並行して語りつつやがて合流していく過程も、ベタながら物語世界のディテールをより深めていて、やっぱり楽しかったし、エンターテインメントとして最終的に収束させる手腕も気持ち良かった。