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Twitter(ID:yudutarou)で観た映画を確認しようとしたら非常に面倒だったので、メモになるつぶやき(主に映画とか音楽)を移植。なので2014年まで時系列バラバラ。

ネクター (2014・仏)

   森の中の屋敷、女王然とした女(オルガ・リャザーノワ)がメイドたちから愛撫するような奉仕を受けていた。やがて女の身体からは蜂蜜のようなものが滲み出てゆき、その光景が屋敷の庭に置かれた養蜂箱の女王蜂と蜜蜂たちの姿と幻想的に重なり合っていく…。監督、脚本:ルシール・アザリロヴィック、撮影:マニュエル・ダコッセ。

 

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   『エヴォリューション』と一緒に併映されてた短篇。その情報知らずに劇場入ったので、これが『エヴォリューション』だと思って観ていたらアッサリ終わったのでびっくりしたよ。

 

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    で、こちらも『エヴォリューション』同様に実相寺昭雄ウルトラセブン的な雰囲気があるイメージ重視の作品だったが、短篇なだけによりイメージだけの作品という感じで、蜂の巣とマンション、女性の立場と蜂蜜の世界を重なり合わせたような描き方もちょっと安っぽい気もした。しかし蜂の巣のように見えるマンションなど画面の切り取り方はカッコ良かったので、観られて良かったかな。

 

映画『ネクター』予告編 - YouTube

 

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エヴォリューション (2015・仏、スペイン、ベルギー)

    女性と少年たちだけが住む奇妙な島。そこでは少年たちが目的不明の医療行為を施されていた。ある時、そこで暮らす少年ニコラ(マックス・ブラバン)は素潜りで遊んでいた際に海底に沈む男の死体を発見する。母親(ジュリー=マリー・パルマンティエ)にそのことを告げるが信じてもらえないニコラは、その事件をきっかけに段々と島社会への違和感を覚え始める。やがて病院に入れられたニコラだったが、他の少年たちとは違う様子を見せる彼に対して看護師のステラ(ロクサーヌ・デュラン)が興味を示し始める…。監督、脚本:ルシール・アザリロヴィック、脚本:アランテ・カヴァイテ、撮影:マニュエル・ダコッセ、美術:ライア・コレット、音楽:ザカリアス・M・デ・ラ・リバ、ヘスス・ディアス。

 

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    大人へ変化していく少年の姿をSFとして描いているようにも、性差を超越した存在の探求のようにも見える物語自体はけっこう退屈だったが、気色の悪さと美しさを同時に描写した海の捉え方や皮膚に吸盤のようなものが浮かび上がる怪奇人間の質感など、映像そのものは観ていて楽しかった。

 

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    全体の雰囲気、画面の質感も含めてまるで実相寺昭雄演出回のウルトラシリーズのようなSF感で、更にはデヴィッド・リンチやクローネンバーグ、もしくはアベルフェラーラの『ボディ・スナッチャーズ』のようなイメージもあって、新鮮味は無いもののちょっと懐かしさを感じさせられる、作り手の趣味が滲みまくった珍妙SFの味わいもあった。これがもっとホラー寄りの演出だったらかなり好きになっただろうな、とは思った。

 

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映画『エヴォリューション』予告編 (short ver.) - YouTube

 

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映画 妖怪ウォッチ 空飛ぶクジラとダブル世界の大冒険だニャン! (2016・日)

    さくらニュータウンに突如出現した空飛ぶ巨大クジラ。時を同じくしてアニメ世界が実写世界へと変貌してしまう。妖怪たちが実写世界の違和感に混乱する中、ケータ(戸松遥/南出凌嘉)やジバニャン小桜エツコ)たちは巨大クジラと関わりのある少女カナミ(浜辺美波)を発見するが…。監督:ウシロシンジ、実写パート監督:横井健司、原案・脚本・製作総指揮:日野晃博、脚本:加藤陽一、制作プロダクション:OLM

 

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    TVの拡大版をやれば充分ヒットするはずなのにマンネリ化させないアイデアで攻めていく姿勢は立派というか貪欲というか、とりあえず従来の子供アニメのパターンを踏襲してはいない。

 

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    で、今回は実写パートを導入するというかなり無茶な手法だったのだが、違和感自体を先廻りしてギャグにしていたので居心地悪くならずに観ることが出来たし、子供たちも喜んでいた。実写パートのクオリティは通常の特撮テレビ番組程度のもので特に画面として面白いことは無かったが、実写にトレースされる前のアニメパート自体がテレビ的な作りだし、逆に実写だけ映画的な絵作りを見せられても困惑したと思う。

 

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    実写とアニメを行き来させることで色々と掘り下げられそうなテーマもありそうだったが、それは特にない。それでもアニメに逃避することを否定することなく同時に「毛穴の見える」リアル世界への肯定にもなっていて、子供映画として真面目だったのは良かった。大人としても妖怪ウォッチ観に行って武井咲が観られて満足だったよ。

 

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「映画 妖怪ウォッチ 空飛ぶクジラとダブル世界の大冒険だニャン!」予告編2 - YouTube

 

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アンダーワールド ブラッド・ウォーズ (2016・米)

    はるか昔より抗争を続けるヴァンパイア族とライカン(狼男)族だったが、一族の統率を成し遂げたライカンの新リーダー、マリウスの登場によりヴァンパイア族は劣勢に立たされていた。そんな中、長老殺しの罪で双方の一族から追われていたヴァンパイアの戦士セリーン(ケイト・ベッキンセール)を野心家のヴァンパイア、セミラ(ララ・パルヴァー)が一族の元へと呼び戻す。セリーンの戦闘能力を活かして兵士の養成を行わせることを目的とした恩赦であったが、セミラの真の目的はセリーンの持つ特別な血にあった…。監督:アナ・フォースター、脚本:コリー・グッドマン、製作:レン・ワイズマン

 

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    正直まだやりますか、という感じもありつつ、すでにこれまでのストーリーがかなりボンヤリになっていたので冒頭の粗筋紹介は非常に助かった。それだけに今回あっさりセリーンが許されてヴァンパイア族に戻ってくる件は今までのセリーンの流転は何だったんだよという気分になってしまったが。

 

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    で、特にこのシリーズに新鮮味は求めていないので、今作への興味と楽しみは誰が吸血鬼の長老をやるのかという一点にあったのだけど、チャールズ・ダンスが登場した時点でもうOKだと思った。今回初登場の北欧の吸血鬼一族の雰囲気や衣装にゲーム・オブ・スローンズ臭が漂っていたのは彼が出演しているからなのか。しかしチャールズ・ダンスが演じた吸血鬼トーマスの出番は少なくて、ちょっとガッカリ。その代わりララ・パルヴァーが頑張って吸血鬼成分を醸し出してくれてはいたが、映画全体としては吸血鬼映画要素が少なくて、そこも残念ではあった。

 

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    相変わらず北斗の拳ばりの後出しジャンケン的な設定やストーリーは破茶滅茶だったが、今作で話が一応ちゃんと終わってたのは良かったのかな。あと吸血鬼という設定を壊さず、容姿を維持し続けるケイト・ベッキンセールは偉いし凄い。どうもまだ続ける気がするよ。

 

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『アンダーワールド ブラッド・ウォーズ』 予告編② - YouTube

 

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傷物語III 冷血篇 (2017・日)

    瀕死の吸血鬼、キスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレード坂本真綾)を救った為にその眷属となってしまった高校生、阿良々木暦神谷浩史)。彼は自らを人間に戻すため、3人のヴァンパイアハンターが奪ったキスショットの四肢を取り戻し、彼女を完全体へと復活させる。しかしそれは人間を喰らう鬼としての彼女を蘇らすことでもあった。暦は羽川翼堀江由衣)や忍野メメ櫻井孝宏)の助けを借りて、最善の道を探るのだが…。総監督:新房昭之、監督・絵コンテ:尾石達也、原作:西尾維新、キャラクター原案:VOFAN、脚本構成:東冨耶子、新房昭之、脚本制作:木澤行人、中本宗応、キャラクターデザイン:渡辺明夫守岡英行総作画監督守岡英行、山村洋貴、音楽:神前暁、アニメーション制作:シャフト。

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    短い尺の中で起承転結の後半部分だけを切り取った物語や、その物語の進行自体がキャラクターを強調してのテレビ的サービスと噛み合っていなかったりで、一本の独立した映画作品として満腹感を得られなかったのは前作までと同様だった。とは言え前作、前々作とトータルで観たとしても一本の映画になったかは疑問にも感じたけど、これは物語を推進させる主人公の動機や、抱える問題がそれほど重いものだとは思えないのに過度に深刻に受け止めるという最近多いこの手のドラマへの違和感が主な原因なので、単に好みの問題かも知れない。

 

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    デザインや作画の面白さが味わえるというのも前作までと同様で、今作では特に清々しいほどに馬鹿馬鹿しく描かれたクライマックスの格闘シーンでそれを堪能させてもらった。ただ首が飛び腕が千切れる凄惨な描写ながらストーリーの流れと設定上、緊張感やおぞましさは皆無で、この最新型日本アニメの動きの面白さに物語の重みが付加された映画が観たいな〜、という気持ちも湧いてしまった。

 

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傷物語〈Ⅲ冷血篇〉本予告(2017/1/6全国ロードショー) - YouTube

 

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2016年音楽年間ベスト

   1位はお約束ということで。今年出たシングル、どれも最高だったのでどれでもいいのだけど、とりあえず最初のシングルにした。以下の順位はあまり数を聴けていないのでよく聴いた作品を羅列した感じに。

 

1位 花澤香菜透明な女の子

花澤香菜 『透明な女の子』(Music Clip Short Ver.) - YouTube

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2位 Car Seat Headrest 『Teens Of Denial』

 Car Seat Headrest - "Drunk Drivers/Killer Whales" - YouTube

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3位 yumbo 『鬼火』

 yumbo / 悪魔の歌 (The Devil Song) by 7e.p. | 7e P | Free Listening on SoundCloud

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4位 David Bowie『 ★ (Black Star)』

 David Bowie - Lazarus - YouTube

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5位 青葉市子『マホロボシヤ』

 青葉市子 - ゆさぎ マホロボシヤ MUSIC VIDEO short ver. - YouTube

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6位 PIXIES 『HEAD CARRIER』

 Pixies - Tenement Song (Official Video) - YouTube

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7位 Frankie Cosmos『Next Thing + Fit Me In』

 Frankie Cosmos "Young" Official Single - YouTube

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8位 BABYMETAL『METAL RESISTANCE』

 BABYMETAL - KARATE (OFFICIAL) - YouTube

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9位 Japanese Breakfast『Psychopomp』

 Japanese Breakfast - In Heaven (OFFICIAL VIDEO) - YouTube

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10位 Ice Choir『DESIGNS IN RHYTHM』

 Ice Choir - Unprepared - YouTube

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   取り急ぎまとめてたけど、2016年終わってしまっていた。あと、2016年に実際に1番よく聴いたのはTHE COLLECTORSのBOXセットだった気もする。それともうランキングには入れなかったけど、相変わらずテニスコーツ関連が量産されていて、どれもトップ10クラスのクオリティだった。

 

 

2016年映画年間ベスト

    なんか一位以外はどれも面白いけど、ズバ抜けて傑作だ〜という印象は無くて、何をランクインさせてもOKだとは思いつつ選んでたら殆ど日本映画になってしまった。

 

1位『この世界の片隅に


   非の打ち所がないほどの傑作だがちゃんと風通しの良さも保っていて、迷い無く1位に選んだ。

 

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この世界の片隅に (2016・日) - yudutarouログ

 

2位『クリーピー 偽りの隣人 』


   今年はどんよりした日本製犯罪映画の傑作が多かったが、中でもテーマ、演出、エンタメ性で突出していた。

 

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クリーピー 偽りの隣人 (2016) - yudutarouログ

 

3位『レヴェナント 蘇りし者』


   スクリーンで観る体験としては今年1番映画的だった。

 

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レヴェナント 蘇えりし者 (2015) - yudutarouログ

 

4位『君の名は。


    次のゴジラ同様に消費され過ぎて個人的脳内評価は下がりまくっていたが、冷静に思い返すとやっぱりアニメーションとして素晴らしかった。

 

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君の名は。 (2016) - yudutarouログ

 

5位『シン・ゴジラ


    公開前、やるなら怒りのデスロード方式しかないんじゃないかと思っていたらホントにそんな映画だったので楽しかった。

 

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シン・ゴジラ (2016) - yudutarouログ

 

6位『リップヴァンウィンクルの花嫁』


   岩井俊二の美意識と狂気を堪能した。

 

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リップヴァンウィンクルの花嫁 (2016) - yudutarouログ

 

7位『の・ようなもの のようなもの』


   まさかの続編で、しかも納得と感動の出来だった。

 

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の・ようなもの のようなもの (2016) - yudutarouログ

 

8位『ちはやふる 下の句 』


    『上の句』と合わせて楽しい作品だった。

 

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ちはやふる 下の句 (2016) - yudutarouログ

 

9位『あやしい彼女』  

 

    多部ちゃんのアイドル映画として満腹だった。

 

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あやしい彼女 (2016) / 怪しい彼女 (2014) - yudutarouログ

 

10位『貞子vs伽倻子』


    ゴジラやスーパーマンが生真面目にやってる横でバーサス物としての醍醐味を味あわせてくれて楽しかった。

 

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貞子vs伽椰子 (2016) - yudutarouログ


   スピルバーグやタラが『ブリッジ・オブ・スパイ』や『ヘイトフル・エイト』で凄みを見せてくれていたり、『葛城事件』の新井浩文のことは未だに頭から離れんかったり、アニメで言えば『聲の形』も良かったなーとか、『イレブン・ミニッツ』や『ドント・ブリーズ』も楽しかった、とか色々あるが、時間もないことだし(ただいま大晦日で嫁の実家)、今年はこんな感じで。しかし見逃した作品が多過ぎたよ。