yudutarouログ

Twitter(ID:yudutarou)で観た映画を確認しようとしたら非常に面倒だったので、メモになるつぶやき(主に映画とか音楽)を移植。なので2014年まで時系列バラバラ。

Ariel Pink / Dedicated To Bobby Jameson

   帯文のベッドルームへの帰還というのがまさにぴったりのアルバムだった。無茶苦茶ポップなのに細かく捻り過ぎていて通しで聴くといい意味でかなりグッタリする濃密さ。ボーナストラックも更に振り切っていて楽しいので日本盤推し

 

Ariel Pink - Another Weekend [Official Video] - YouTube

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発売日 2017/9/15
収録楽曲
01. Time To Meet Your God
02. Feel Like Heaven
03. Death Patrol
04. Santa's In The Closet
05. Dedicated To Bobby Jameson
06. Time To Live
07. Another Weekend
08. I Wanna Be Young
09. Bubblegum Dreams
10. Dreamdate Narcissist
11. Kitchen Witch
12. Do Yourself a Favor
13. Acting (feat. Dam Funk)
14. Revenge of the Iceman*
15. Nighttime is Great!*
16. Lil' Birdie Told Me*
17. Non-Sequitur Segues*
18. May The Music Never Die Again*
*日本盤ボーナストラック

ブレードランナー 2049 (2017・米)

   2049年、ロサンゼルスではバイオ食料の供給と労働力である人造人間レプリカントの製造によってニアンダー・ウォレス(ジャレッド・レト)率いるウォレス社が絶大な権力を握っていた。そんな中、ロス市警の違法レプリカント狩りを専門とする「ブレードランナー」で自身もレプリカントであるK(ライアン・ゴズリング)は追跡していたレプリカント、サッパー・モートンデイヴ・バウティスタ)を処理した際、人間とレプリカントの関係を揺るがす重大な秘密を知る。ホログラフィーを搭載した恋人兼理解者のAI、ジョイ(アナ・デ・アルマス)とともに上司ジョシ(ロビン・ライト)の命令で極秘捜査を開始したKは人口記憶の創造者アナ・ステライン(カーラ・ジュリ)らを訪ねつつ謎に迫るが、ウォレス社長もレプリカントのラヴ(シルヴィア・フークス)を使って秘密に迫っていた。そしてKは事件の鍵となる30年前に女性型レプリカントとともに失踪したブレードランナーデッカードハリソン・フォード)の存在に行き当たるのだが…。
監督:ドゥニ・ヴィルヌーヴ、脚本・原案:ハンプトン・ファンチャー、脚本:マイケル・グリーン、製作:アンドリュー・A・コソーヴ、ブロードリック・ジョンソン、バッド・ヨーキン、シンシア・サイクス・ヨーキン、製作総指揮:リドリー・スコット、撮影:ロジャー・ディーキンス、プロダクション・デザイン:デニス・ガスナー、視覚効果監修:ジョン・ネルソン、衣装デザイン:レネー・エイプリル、音楽:ベンジャミン・ウォルフィッシュハンス・ジマー

 

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多分ネタバレしてます。

 

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    映画が進行して物語に軸足が移ってくる辺りでオリジナルのファンとしてはどうしても納得出来ない感情が湧いてくるのは初めから分かっていたことではあるけど、繊細なリスペクトでオリジナルを踏襲した上で繰り出される続編としての新たなイメージと創意工夫が事前の想像以上で、結果としてヴィルヌーヴ監督と製作陣の並々ならぬ気合いを感じる傑作だった。  

 

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    オリジナルの唯一無二の世界にヴィルヌーヴ監督がこれまでの作品で見せてきた無機質な感触を加えたロサンゼルスの風景は現代の映画としての説得力抜群で、そこにちゃんとオリジナルの雰囲気を保ったままのガジェット類が進化して溶け込んでいる画面は感動モノだった。そしてモノローグの挿入具合、ガジェット操作時に対象を拡大して精査していく様子からリオンを思い起こさせるサッパー・モートンやプリスを彷彿とさせるマリエッティ(マッケンジー・デイヴィス)などキャラの造形もオリジナルから地続きであることを感じさせて、さり気なくもポイントを押さえてオリジナルを踏襲しているのに好感を持った。

 

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   サウンドトラックも同様に環境音と効果音を増幅させたような音楽とオリジナルの劇伴を援用することでヴァンゲリスのイメージを覆したりすることなく今風のサウンドトラックに仕上げていて、そんなところにも全方向的な抜かりなさを感じた。

 

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    そして今回、新たな要素として登場する主人公の彼女(?)であるAIのジョイがとにかく良く出来ていて、ホログラフィーで登場する際の仕掛けや持ち運び可能なガジェットとの連携、言動の健気さ、演じるアナ・デ・アルマスの可愛さで、Kがメロメロになるのも納得のキャラクターになっていた。この映画はオタクの新たなヒロイン像となるバーチャル彼女を創出したというだけでも十分な価値があると思った。あと健気な人造人間というのはそれだけで涙腺刺激する必殺要素なんだけど、今作は主人公に魂を持たないレプリカントを置きつつ、そんな主人公より更に存在として欠落したジョイを登場させることで、切なさを倍増させていて、ハードボイルドだったオリジナルとは全く感触の違う、情緒的な映画として独自性を獲得していたように感じた。

 

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   ただ、続編が作られるという時点で分かっていたことではあるけど、最小限の物語で世界観そのものが映画の肝だった「ブレードランナー」はその余白ゆえに受け手側の想像と妄想でさらに世界を拡大し輝きを増し続けてきた作品なので、その続きを明確に物語として見せてしまうことはオリジナルの魅力を損ない、せっかく広がった世界を縮小させてしまったというのはあるので、そこはどうしても引っ掛かってしまった。別個の作品として楽しめばいいというのもあるけど、リドリー・スコットシド・ミードまでがある程度関わっているというのが今作に公式なお墨付きを与えているので、それもなかなか難しかった。

 

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   あと今作のストーリーだけど、レイチェルに子供がいた!というのは流石に後出しジャンケンにもほどがあるだろうと思うし、リドリー・スコット自ら最終版でレイチェルの寿命に制限が無い件はオミットしていたので、そこらへんはどうなっているんだとかいう気持ちが湧いたり、「ブレードランナー」後のデッカードレプリカントの反逆に加担したり自己犠牲の精神を発揮していたというのも、そんなキャラだったっけ?という気分にはなってしまった。人口記憶を作ってる研究所とか老人ホームなど今作で新たに登場した施設もちょっと設定浮いている感じで違和感があったんだけど老人ホームでガフが出てきたところはテンション上がったよ。

 

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   それと予告編見てこれも分かっていたことだけど、ハリソン・フォードに全くデッカード感が無い、というかただのハリソン・フォードにしか見えなかったのは致命的というか悲しかった。ハン・ソロインディアナジョーンズの老けた姿なら今のハリソン・フォードで問題ないけど、デッカードだと別人としか思えなかった。

 

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   ハリソン・フォードといえば、インタビューでライアン・ゴズリングを主役に推したのは俺だみたいなことを言っていたが他のスタッフやライアン・ゴズリング自身は全くそんなこと言っていなくて、ひょっとしてハリソン・フォードが存在感発揮したくて話を盛っているんだろうか。だとしたらなかなか微笑ましいと思ったんだけど。

 

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   で、結論としては、オリジナル版はリドリー・スコットだけでなく、名もないスタッフ達の愛情とこだわりで作り上げられたものだというのはメイキングその他で知られていることなので、リドリー・スコット本人が正統な続編と認めようともこちらの心の中では別物として扱ってもOKだろうという勝手な言い分を前提として今回の「2049」はSF映画として面白かったし好きな作品、というところに落ち着いた。つまり「ブレードランナー」の続編ということでは認めないけど単体作品としては好きという分裂気味の結論なんだけど。

 

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    あと前日譚の短編が三本公開されていたのも観たけど「モーガン プロトタイプ L-9」が良作だった期待のリドリージュニア、ルーク・スコット監督の二篇は本編のついでに作った感じで可もなく不可もなくという印象だった。しかし渡辺信一郎監督のアニメ短編は作画クオリティ凄くて、絵見るだけでも価値有りの作品だったよ。

 

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映画『ブレードランナー2049』日本版予告編 - YouTube

【『ブレードランナー 2049』の前日譚】「2048:ノーウェア・トゥ・ラン」 - YouTube

【『ブレードランナー 2049』の前日譚】「2036:ネクサス・ドーン」 - YouTube

【渡辺信一郎監督による前奏アニメ解禁!】「ブレードランナー ブラックアウト 2022」 - YouTube

 

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魔法少女リリカルなのは Reflection (2017・日)

    滅びつつある惑星エルトリアに住まいながら星の再生を目指すフローリアン一家。しかし一家父親が病に倒れ、次女のキリエ(佐藤聡美)は人工知能イリス(日笠陽子)の助けを借りて父と惑星を救う鍵となる「夜天の書」を奪うべく遥か彼方の「地球」へと向かう。そこで時空管理局の高町なのは田村ゆかり)、フェイト(水樹奈々)、そして夜天の書の所有者である八神はやて植田佳奈)と対峙するが、キリエの暴走を止めるべくエルトリアよりキリエの姉アミタ(戸松遥)も到来し、エルトリアと地球の命運を賭けた激しい戦いが始まる。

監督:浜名孝行、原作・脚本:都築真紀、キャラクターデザイン・総作画監督:橋立佳奈、バリアジャケット・デバイスデザイン原案:黒銀、総作画監督:坂田理、新垣一成、美術設定:平澤晃弘、美術監督:鈴木朗、3DCGプロデューサー:田中臥竜、CG総監督:名倉晋作、音楽:中條美沙、アニメーション制作:セブン・アークス・ピクチャーズ

 

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    「リリカルなのは」はテレビシリーズも観たことが無かったので、今作を観る前に劇場版前二作を観てみた。どちらも魔法少女というジャンルを使いつつガジェットやバトルシーンの演出がほとんどロボットアニメで、ストーリーは熱い友情を謳っているというアニメオタクが好きそうな要素をごった煮にしたような作品で、テレビシリーズの総集編でもあるためかエピローグが異常に長ったりもしたけどそれぞれ単体作品として充分に面白かった。

 

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    で本作はテレビアニメの作画をそのままアップデートしたような画面が演出を含めてオーソドックスなスタイルのオタクアニメの凄味を感じさせてくれて良かったし、内容も前二作で繰り広げられた鏡像関係のキャラクターたちが織りなすバトルストーリーをさらに増殖させて膨らませ続けるというバトルと関係性の過剰なインフレスパイラルになっていて、ほとんど戦闘シーンしかないんだけど(ないからこそ?)テンション上がった。 

 

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    しかしそんな盛り上がりが最高潮に達したところでブツリと終了、以下次回に続くになっていて、面白かったので続きがあるのは歓迎だけどそれならタイトルに前編とか付けては欲しかったかな。

 

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「魔法少女リリカルなのは Reflection」本予告第一弾 - YouTube 

 

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ダンケルク (2017・米)

  第二次世界大戦、ドイツ軍によりフランス北部ダンケルクに追い詰められ、取り残されたボルトン海軍中佐(ケネス・ブラナー)以下40万の英仏連合軍。英国は民間船まで総動員した救出作戦を発動する。そんな中、民間船の船長ドーソン(マーク・ライランス)も息子のピーター(トム・グリン=カーニー)、その友人ジョージ(バリー・コーガン)とともに作戦に志願、航海途中で錯乱した英国兵士(キリアン・マーフィー)を救出しつつダンケルクへ向かう。一方空からは空軍パイロットのファリア(トム・ハーディー)らがスピットファイアを駆って援護へ向かっていた。そしてダンケルクでは英国の若き兵士(フィン・ホワイトヘッド)が無口な同年代の兵士(アナイリン・バーナード)やアレックス(ハリー・スタイルズ)らと必死の脱出を図っていた。

監督・脚本・製作:クリストファー・ノーラン、撮影:ホイテ・ヴァン・ホイテマ、美術:ネイサン・クローリー、編集:リー・スミス、衣装:ジェフリー・カーランド、音楽:ハンス・ジマー

 

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    前情報としてノーCGのこだわりを知ってしまっていたからなのか、映像の贅沢さにウットリさせられた。CG使っていないというのを知らなかったら大作のわりにショボいと感じたのだろうか、とも思ったがどんな映像でも作り出せることを前提とした画面作りとは明らかに違う、カメラをどこに置いて、どのように見せるかを物理的に考えて表現された映像の凄味というのはあるのだと感じた。もちろんCGを多用した映像にはCGなりのアイデアや努力が詰まっているから、単なるノスタルジーかも知れないが、実写だからこそ響いてくる感覚はやっぱり気持ちが良かった。

 

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   観た直後は時間軸をいじっているのがサスペンスとしての盛り上げを阻害しているように感じて、単に構成にこだわってみました、みたいなノーランの要らん自己主張だと思っていたけど、戦争を描くにあたって個人の英雄譚としての盛り上げを抑制させる目的だったのかもと思うと凄く的確なスタイルだったように思い始めた。物語の進行を時間軸に沿って描いてしまえば2枚目の顔面をほとんど表に出さずにいながらもトム・ハーディ演じるパイロットがヒロイックに際立ち過ぎる結果になっていたはずで、市井の救出作戦志願者の存在も埋没していたかも知れない。

 

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    音楽はいつものハンス・ジマーの大作サントラとは全然違う作りの音になっていて、かなり耳につくし、緊張感を煽り続けるので良くも悪くも映像を支配してしまっていたけど、物理的な圧迫感が実はあまり表に出てこない今作にはこれも的確なスタイルだった気がしてきた。何だかんだでやっぱりノーランって凄いのかなと今更感じてしまった作品だった。

 

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映画『ダンケルク』予告3【HD】2017年9月9日(土)公開 - YouTube

 

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The Horrors / V

   インダストリアル+ニューロマみたいなM3「MACHINE」はポップでありつつもホラーズらしくてカッコ良かった。全体的には聴きやすくまろやか〜な感じで、完成度は高いとは思うがそれはホラーズに求めていないのでちょっと戸惑ってしまった。

 

The Horrors - Machine (Official Video) - YouTube

 

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発売日 2017/9/22
収録楽曲
1 HOLOGRAM
2 PRESS ENTER TO EXIT
3 MACHINE
4 GHOST
5 POINT OF NO REPLY
6 WEIGHED DOWN
7 GATHERING
8 WORLD BELOW
9 IT'S A GOOD LIFE
10 SOMETHING TO REMEMBER ME BY
11 FIRE ESCAPE (ボーナストラック)
12 WATER DROP (ボーナストラック)

Arcade Fire / Everything Now

    ポップ過ぎるという評判通りどポップだった。でもそんなバンドだしかなり好き。歌詞は暗いというより真面目だなあという印象だけど、相変わらず大勢でワイワイ奏でて楽しそうな曲そのもののパワーが先行していてテンション自体は高いのも良かった。

 

Arcade Fire - Everything Now (Official Video) - YouTube

 

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発売日 2017/7/28
収録楽曲
1. Everything_Now [continued]
2. Everything Now
3. Signs of Life
4. Creature Comfort
5. Peter Pan
6. Chemistry
7. Infinite Content
8. Infinite_Content
9. Electric Blue
10. Good God Damn
11. Put Your Money on Me
12. We Don't Deserve Love
13. Everything Now [continued]

RIDE / Weather Diaries

   ライドはリアルタイムで聴いたのが「Trantula」で、当時は野暮ったくて古臭いロックにしか聴こえなくて、あんまり好きにならなかった。そのあとシューゲイザーのバンド聴いていく中で初期作なんかを聴いて、こんなバンドだったんだと認識を改めたんだけど、その頃には既に解散、アンディ・ベルの活動もオアシス加入含めて存在感無かったので僕の中でライドはすっかり過去のバンドフォルダに入っていた。しかし何となく聴いてみたこの復活作は、過去のライドから連続していながらちゃんと今の作品として成立した傑作だった。

    英国の美青年みたいなイメージからすっかりかけ離れた内ジャケに並んだメンバーの老け具合相応にゴツい音を鳴らしつつちゃんと
初期の雰囲気も残していて、筋肉質になって初期のドリーミーな雰囲気を失くしてしまったような「Trantula」はほんとはこんな風にしたかったんではとも思った。

 

Ride - All I Want (Official video) - YouTube

 

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発売日 2017/6/16
収録楽曲
01 Lannoy Point
02 Charm Assault
03 All I Want
04 Home Is A Feeling
05 Weather Diaries
06 Rocket Silver Symphony
07 Lateral Alice
08 Cali
09 Integration Tape
10 Impermanence
11 White Sands
12 Home Is A Feeling (A Creamy Crambled Suite For A Ride)(ボーナストラック)