海を感じる時
各々が別の方を向いて生きている相互不理解の世界で主人公の心のデカさが大波のようにそそり立ち、自由を獲得したような着地をする、という作りかなとは思ったが、主人公が最初から一貫して頑固一徹な人にしか見えないから、そこはよく分からなかった。しかし、あのNANAがこんなことに…。ということで、市川由衣自体は良かったから文句付けたくない感じだが、この作品にはもっと鋭さのないボンヤリした顔立ちの女優が合っていたかもとは思った。あと、最近の映画が近過去をかなり見事に構築しているのに比して時代設定が分かりづらく、それで男性主人公が何考えてるのかも材料が乏しく推し測りにくかったりしたのもどうかと感じた。主演二人の高校時代のコスプレ感はいい味か。