絵、凄い上手い。キャラクターもいい。んで面白い。丁寧な手描きの積み重ねの日常描写をずっと眺めていたくなるのに、3巻で完結してるとは…。足りない。設定やキャラの配置とか、ちょっと『のんのんびより』っぽいのかなとか思って読み始めたけど、全然オリジナルな作品世界だった。
ジャケ買い。そしてジャケからイメージする音そのまんまのポップなメロディとギターリフのパワーポップの良盤だった。weezerフォロワー、というよりDamoneを思い出す感じ。しばらくしたら買ったことすら忘れそうだけど、やっぱりこういうアルバム好きだな。
発売日 2020/3/13
収録楽曲
1.The Friend Song
2.Seaweed
3.Please, Please, Please
4.La Escalera
5.A Funny Laugh
6.Forgiveness
7.Right or Wrong
8.Arco Iris
9.See You, See Me
10.I’m Not Gonna Miss You Anyway
11.The Friend Song (Acoustic)
どのショートショートを読んでも星新一的だと感じさせるオリジナリティを持つ作品群に比べて、星新一自身に対するイメージは、筒井康隆の日記やエッセイに登場する人物像で輪郭を描いていたぐらい(それでも小松左京らの濃さに比べると圧倒的に印象が薄い)だったので、星新一自身の人生を数多の資料と証言によって丁寧かつ詳細に構築した本書はこちらの興味を満たしてくれる読み物として面白かった。なかでも作家デビューに至るまでの星家に関わる人々の歴史上の著名人ぶりが凄すぎて、SF作家の伝記というより政治家や企業家の伝記という印象。デビュー前になってSF関係者が登場してくる段になり、やっとSF作家の物語っぽくなってきてホッとする。
そして出自や功績など事細かに追跡した力作であるのに読了後に星新一がどうして唯一無比のオリジナリティと面白さを持つ作品群を生み出し得たのか、というのは結局よく分からず、作品と作者のイメージがイコールでは繋がらない掴みどころのなさがそれこそ星新一らしいな、という印象を残した。しかし今また星新一作品を読み返すと新たな印象が浮かんでくるかも知れないとも思えた。
百合だから面白いのかSFだから面白いのか、多分両方なんだろうな、という個人的に非常に有難い漫画で、全3巻で綺麗に完結してるのも嬉しい。キャラクターも可愛いかった。やろうと思えばもっとハードなSFに行けるし、この展開なら人間関係ももっとドロドロに行く筈なんだが、あくまでふんわりと緩いところに着地させていて、そのバランスが気持ち良かった。しかしどう考えも諸悪の根源だろうっていうキャラの扱いがそれでいいのかっていうのは流石にちょっと気になったけどね…。
疎遠だった刑事の父親が亡くなったという知らせをヨシダ警部(渡辺謙)から受けた青年ティム(ジャスティス・スミス)は、遺産整理のためにポケモンと人間が共生するライムシティへやって来た。子どもの頃大好きだったポケモンを遠ざけるようになっていたティムだったが、自分にしか聞こえない人間の言葉を話し、父の相棒だったという“名探偵ピカチュウ”(ライアン・レイノルズ)と出会い、父の存命を信じてともに謎解きを開始するのだった。他の出演者にティムとともに謎を追うジャーナリストの卵ルーシーにキャスリン・ニュートン、ひととポケモンの共生を目指す企業の会長ハワードにビル・ナイなど。
監督:ロブ・レターマン、脚本:ダン・ヘルナンデス、ベンジー・サミット、ロブ・レターマン、デレク・コノリー、撮影:ジョン・マシソン、音楽:ヘンリー・ジャックマン。
映画そのものはキャスティングで既にネタバレだったりなかなか微妙だったが、ピカチュウが可愛いからOKだったのと、ポケモンが現実として(CGだけど)街に溶け込んだ景色を息子に見せてくれただけでも拍手。あ、〇〇だ!××だ!と言って喜んでた。あとカメオ出演の竹内涼真がトーキョードリフトの妻夫木聡以来のハリウッド映画でちょい顔見せなのにカッコいいというオイシイ役どころだった。
昏き目の暗殺者 上・下 (ハヤカワepi文庫) / マーガレット・アトウッド著、鴻巣 友季子訳
物語進行とは異なる階層のミステリとして機能させる語り手の曖昧さや、年代記、恋愛物、B級SFといった複数のジャンル小説として楽しめる入れ子状の構成など、重層的に構築され、単なるフェミニスティックな物語では終わらない小説ならではの醍醐味が味わえた。書き記すことそのものがハードボイルド的哀愁と諦観の中に少しばかりの希望を灯すところも良かったが、何より劇中劇のB級SFが楽しいのが好感度高かった。