ヴィラン(悪役)たちからゴッサムシティを守るべく活躍するバットマン=ブルース・ウェイン(ウィル・アーネット/山寺宏一)は自宅の屋敷に戻れば執事のアルフレッド(レイフ・ファインズ/菅生隆之)以外誰もいない孤独な生活を送っていたが、ひょんな事から少年ディック(マイケル・セラ/小島よしお)を養子に迎えることになる。そんな中、特別な存在として認知してもらえないことに業を煮やした宿敵ジョーカー(ザック・ガリフィアナキス/子安武人)が宇宙刑務所の極悪ヴィランたちを脱走させ、ゴッサムシティは未曾有の危機に襲われる。バットマンはロビン少年としてヒーロー業の相棒となったディックや警視総監の娘バーバラ・ゴードン=バットガール(ロザリオ・ドーソン/沢城みゆき)とともに街を救うべく立ち上がる。
監督:クリス・マッケイ、製作:フィル・ロード&クリストファー・ミラー、脚本、原案:セス・グレアム=スミス、脚本:クリス・マッケナ、エリック・ソマーズ、ジャレッド・スターン、ジョン・ウィッティントン、美術:グラント・フレックルトン、音楽:ローン・バルフェ。
キャラクターから舞台まで、全てLEGOで作ったような形をCGで表現したバットマンのスピンオフ(?)。というかパロディ仕立ての番外編的映画なのかな。今回は吹き替えしかやってなかったので、そちらで鑑賞。
レゴで作ってみた、みたいな作品は興味無しだが、本作では本来『バットマン』という素材で語るべきこと見せるべきことを殆どやってしまってるのでは、というぐらいにアメコミヒーロー映画の要素を詰め込んであって、かなり楽しかった。
舞台であるゴッサムシティがジョエル・シュマッカー版バットマンをアップデートしたような極彩色の世界になっていて、CGで狂気のおもちゃ世界を作り上げたようなケバケバしさが良かった。そこで繰り広げられるのがバットマンとヴィランとのハイテンションな馴れ合いとじゃれ合いをベースにした戦いで、単なる殺伐になりがちな本家DC映画がやれていないことをやっていた。
バットマンの孤独をおかしみとともに見せていく描写も面白くて、独りで電子レンジが回るのを見つめるバットマンの姿とか最高だった。とは言えレゴじゃなくてもいいやん…という気持ちはどこかに漂い続けるんだが、しかしこれを実写でやっても寒かったり感動の押し売りに見えたりするだけかも知れない。レゴという免罪符抜きだったら話のつなぎも大雑把過ぎるとか色々難点も目立ちそうなので、その意味ではレゴでやってる理由は十分にある、ということなのかな。
映画『レゴバットマン ザ・ムービー』 特報 【HD】2017年4月1日公開 - YouTube