yudutarouログ

Twitter(ID:yudutarou)で観た映画を確認しようとしたら非常に面倒だったので、メモになるつぶやき(主に映画とか音楽)を移植。なので2014年まで時系列バラバラ。

スウィート17モンスター (2016・米)

    ひねくれ者の高校生ネイディーン(ヘイリー・スタインフェルド)は高校では浮いた存在。それでも唯一の親友クリスタ(ヘイリー・ルー・リチャードソン)と周囲に毒づきながら過ごす日々を楽しんでいた。しかしクリスタが自分と正反対で人気者の兄ダリアン(ブレイク・ジェナー)と付き合い始めてしまい、疎外感を感じ始める。そんなネイディーンが、彼女を持て余す母親(キーラ・セジウィック)や、はぐらかしながらも相談に乗る教師ブルーナー(ウディ・ハレルソン)、彼女に恋するアーウィン(ヘイデン・ゼトー)らと関わりながら自分自身を見つめ直していく物語。
監督・脚本:ケリー・フレモン・クレイグ、撮影:ダグ・エメット、編集:トレイシー・ワドモア=スミス、音楽:アトリ・オーバーソン。

 

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    キャラといい音楽といい昔ながらのちょっとナードな青春物で17歳女子の話を装いながらおっさん向けのノスタルジー映画なのでは、とも思った。しかし監督は女の人だった。大人への分岐点という不変のテーマだが、出てくるキャラクターの類型が80年代の青春映画と変わらず、主人公の趣味嗜好もそれらに登場してそうなタイプで、何だかもっと今の物語があるんじゃないの?という気もした。

 

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    なので物語自体は安心して楽しめる居心地の良さだが、自分と違う他者を受け入れていくプロットにしては、真逆の存在として描かれている兄との確執と和解の輪郭がぼやけているように感じた。兄はスポーツ万能で人格者という設定だが、ナードな妹に対して特に嫌味を告げることもないし、妹と同じタイプのクリスタをパートナーに選んだことからも学園カーストを気にしているようにも見えず、そもそもの最初から妹のことを理解しているようなので、この兄妹の和解は単に主人公が兄のことを素直に認めたというだけの一方的なものでしかないように思えてしまった。だから主人公がホントに反目したり嫉妬すべき相手は彼女に片想いするアーウィンのほうじゃなかったかとも思った。彼は資産家の息子で芸術的才能もあり、ガタイもいいという、どう考えても世間の勝ち組だと思うんだけど。

 

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    良かったのはウディ・ハレルソン演じる先生で、主人公と同様のタイプで社会的にはハズレ者に見えても実際には充実した人生を送ることが出来るという希望の体現者になっていて、こういう人を登場させてくれるというのは主人公と同世代で現状に馴染めずにいる受け手にとって励ましになると思った。あと主人公の女の子が『トゥルー・グリット』の子供だということに全く気づいてなかった。デカくなってるけど、確かに顔は同じだ。

 

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映画「スウィート17モンスター」日本版予告 - YouTube

 

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