yudutarouログ

Twitter(ID:yudutarou)で観た映画を確認しようとしたら非常に面倒だったので、メモになるつぶやき(主に映画とか音楽)を移植。なので2014年まで時系列バラバラ。

ブラック・ユーモア選集〈1〉幻の下宿人(早川書房)/ローラン・トポール著、榊原晃三訳

 久々に読書しながらヤバい、ヤバいよ〜と興奮。ローラン・トポールが誰なのか分かってなかったが、表題作の『幻の下宿人』を読んでいて、なんか知ってる話だと思ったらポランスキーの『テナント』の原作だった。というかトポールはヘルツォークの『ノスフェラトゥ』にも出演していたらしいし、『ファンタスティック・プラネット』の原画、製作もやっていて、あの作品に感じる魅力の源泉はルネ・ラルーというよりトポール由来だったのかも知れないとこの小説を読んで感じた。

 『テナント』に漂う独特の幻想と狂気はこの原作で既に完成しているし、小説全体を覆う諧謔と不穏はさらにもう一編の『ジョコ、記念日を祝う』で爆発していて、中盤までの寓話的な展開の不穏さから殆どホラーと化す終盤まで全て面白い。ホラーシーンは永井豪デビルマンの地獄絵図のようだし、イメージの暴走はシュヴァンクマイエルや初期の塚本晋也のようで、古今東西のシュールと暴力のトップランナーたちの作品を想起させる面白さ。社会的な作品のようにも読めるし単なる狂気の結晶としても楽しめる、とんでもない作品だった。

 

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ワシントン・スクエアの謎 (論創海外ミステリ)/ ハリー・スティーヴン・キーラー 著、井伊順彦 訳

 貰っていたので前情報皆無で読み始めたら偶然が偶然を(無理矢理)呼ぶ御都合主義と、推理する行為が好きな読者なら怒りそうな展開にナニコレという気分にもなったが(あとからこの作者はそういう人として、その筋では有名と知った…)、主人公が事件に巻き込まれてハマっていく不条理劇のような過程や、謎の美女、変装した探偵の登場、神秘的な宝石といった作品を彩る諸々に味わいがあり、ミステリというより少しノスタルジックな冒険小説として楽しかった。

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流 (講談社文庫) / 東山彰良

 青春小説としても台湾の一時代を切り取ったドキュメントとしても面白かったが、何より主人公の見る景色や経験がまるで作者の実体験のようなリアリティで迫ってきて、そこに幻想的な光景が違和感なく入り込んでくる様が小説を読む醍醐味を存分に味あわせてくれた。そりゃ直木賞だって受賞するよ、と思った。

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POLYSICS / 走れ!with ヤマサキセイヤ(キュウソネコカミ) [CD+DVD]<初回生産限定盤>

 あんまりポリシックスっぽくはない、普通にいい曲。せっかくアニメ主題歌だから売れて欲しい。しかしカップリングがけっこうカオスで、この振り幅はポリらしいと言えばらしい…。

POLYSICS 『走れ! with ヤマサキセイヤ(キュウソネコカミ)』 - YouTube

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発売日:2021/2/24

収録楽曲

【CD】

01. 走れ!with ヤマサキセイヤ(キュウソネコカミ

02. 上を向いて運ぼう with 赤血球(CV:榎木淳弥)&白血球(CV:日笠陽子

03. CheerS (original : ClariS

04. 走れ!with ヤマサキセイヤ(キュウソネコカミ)-TV edit-

05. 上を向いて運ぼう with 赤血球&白血球 -TV edit-

06. 走れ!with ヤマサキセイヤ(キュウソネコカミ)-Instrumental-

07. 上を向いて運ぼう with 赤血球&白血球 -Instrumental-

【DVD】

01. 走れ!with ヤマサキセイヤ(キュウソネコカミ)ミュージックビデオ

02. 『はたらく細胞BLACK』ノンクレジットオープニングムービー

03. 『はたらく細胞BLACK』ノンクレジットエンディングムービー

おーるどにゅーすぺーぱー / スクーーープ!!

 抜群のポップセンスに溢れたメロディとトラック、そこに乗っかるラップもボーカルも気持ちいい。最高です。

おーるどにゅーすぺーぱー / はじめまして東京 -Official Music Video- - YouTube

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発売日:2021/2/24

収録楽曲

1. はじめまして東京

2. OFF!

3. 宇宙征服計画

4. Bubble

5. オトガナリダス

怪獣8号 2 (ジャンプコミックス) / 松本 直也

 1巻ではどんな方向に向かうのかまだよく分からなかったけど、これはもう、ストレートにジャンプ的王道バトル漫画で、最近はこの系統を読み慣れているのもあって楽しく読んだ。画力と魅力的なキャラクターでサクサク展開しながらも明かされない謎もあって物語への興味も繋いでくれる。あとは「SSSS.DYNAZENON」などが面白い切り口を見せてくれているだけに、怪獣にどんな意味を持たせてくれるのか、かな。

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高い城の男(ハヤカワ・SF・シリーズ) /フィリップ・K.ディック 著、浅倉久志 訳

 ディックの代表作のひとつというのに初めてちゃんと読んだ。本物と紛い物というモチーフが作中のアイテムのみならず物語世界の存在自体にも仕掛けてあって、全編をリアルの不確かさが覆い尽くす感覚がハードボイルドな雰囲気と併せていかにもディック的で、代表作と言われるのも納得、だった。

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