聞き手の作家とモリコーネとの数度に渡る対話形式で、話題もその都度大雑把に選択されているので、年代ごとにじっくりとモリコーネの足跡を辿るようなものではなく、ざっくりしたインタビュー本といった感じで読み物としては物足りない。しかし温和な語り口の中にも自らの作品への自負、映画音楽家ではなく音楽家として評価されたい欲求が出ていたりするのは面白かった。中でも『ラスト・エンペラー』サントラの依頼がベルトリッチから来なかったのを悔しがってたのは面白いエピソードだった。実際、モリコーネがやってたら色々歴史変わってただろうな。