yudutarouログ

Twitter(ID:yudutarou)で観た映画を確認しようとしたら非常に面倒だったので、メモになるつぶやき(主に映画とか音楽)を移植。なので2014年まで時系列バラバラ。

パーティで女の子に話しかけるには (2017・英、米)

   1977年、ロンドン郊外。パンク少年のエン(アレックス・シャープ)は仲間のヴィック(A・J・ルイス)、ジョン(イーサン・ローレンス)とともに界隈のパンクシーンの顔役ボディシーア(ニコール・キッドマン)の店に繰り出したあと、かすかにきこえる音楽に引き寄せられて古い一軒家へたどり着く。エンはそこで不思議な美少女ザン(エル・ファニング)と出会い恋に落ちるが、彼女は宇宙からやってきた異星人だった。
監督・脚本:ジョン・キャメロン・ミッチェル、脚本:フィリッパ・ゴスレット、原作:ニール・ゲイマン、撮影:フランク・G・デマルコ、美術:ヘレン・スコット、衣装:サンディ・パウエル、音楽:ニコ・ミューリー、ジェイミー・スチュワート。

 

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   画面の見た目やデザイン、物語までの6、70年代低予算カルトSF風だったけど、その装いだけを目指すあざとさは全く感じることなく、本気で好きなことをやっている愛情が伝わってきたので、素直にそういう類のB級SF映画として楽しめたし、キャラクターたちが紆余曲折を経てほんの少しだけ成長する青春映画としても丁寧な作りで良かった。

 

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   主人公の男の子の顔立ちがやや老けていたので、もう少し幼い感じたったらより甘酸っぱい雰囲気が感じられたかな、とは思ったが、ライブで歌まで唄ってくれたりするエル・ファニングとのデート映画になっているので悪い訳はなかった。

 

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映画『パーティで女の子に話しかけるには』予告編 12月1日(金)公開 - YouTube

 

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GODZILLA 怪獣惑星 (2017・日)

   20世紀末、巨大生物「怪獣」と「ゴジラ」の出現により地球を追われた人類。移民船により地球を脱出した一部の人類は地球を奪還すべく長距離亜空間航行を行い帰還するも地球では既に2万年の歳月が流れていた。そして地上へ降り立ったハルオ(宮野真守)やユウコ(花澤香菜)たちを待ち受けていたのはゴジラを頂点とする怪獣の世界であった。

監督:静野孔文瀬下寛之、ストーリー原案・シリーズ構成・脚本:虚淵玄、シリーズ構成:村井さだゆき、脚本協力:山田哲弥、キャラクターデザイン原案:コザキユースケ、造形監督:片塰満則、コンセプトアート:川田英治、副監督:森田宏幸、演出:吉平“Tady”直弘、美術監督渋谷幸弘、音楽:服部隆之、アニメーション制作:POLYGON PICTURES。

 

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   CGによる作画の、ノイズの発生しないツルッとした画面、特にキャラクターの顔立ちには慣れなかったし、そんな顔面のアップを連発されるのは辛かった。あと音楽が往年のロボットSF調なのは狙いなのかも知れないけどCGの冷たい感触の作画とは合ってなかった。 そもそも三部作ということだったので物語が決着しないことが前提にあり、いまいちクライマックスに乗れないというのもあった。

 

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   それでも何とか単体としてのオチと次作への拡がりを持たせる脚本にしていたり、度を超えた巨大感を演出してみせたりしてくれていたのは良かったし、怪獣映画からSF映画に重点を移すことでアニメでやる必然性も感じられたので、アニメのゴジラとして納得出来たし、これはこれで楽しかったかな。

 

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アニメーション映画『GODZILLA 怪獣惑星』本予告 - YouTube

 

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ジャスティス・リーグ (2017・米)

   スーパーマン(ヘンリー・カビル)亡き後、地球が未知の敵による脅威に晒されつつあることを察知したバットマンベン・アフレック)はワンダーウーマンガル・ガドット)とともに超人=メタヒューマンのスカウトを始めていた。そんな中アマゾン族とアトランティス人、そして人間がそれぞれ隠し持つ恐るべき力を秘めた〈マザーボックス〉を奪うためステッペンウルフが宇宙より到来。バットマンたちも超高速を持つフラッシュ(エズラ・ミラー)、海の超人アクアマン(ジェイソン・モモア)、改造人間サイボーグ(レイ・フィッシャー)とでジャステイスリーグを結成し、立ち向かうのだっだ。
監督、原案:ザック・スナイダー、原案、脚本、製作総指揮:クリス・テリオ、脚本:ジョス・ウェドン、撮影:ファビアン・ワグナー、美術:パトリック・タトポロス、編集:デビット・ブレナー、衣装:マイケル・ウィルキンソン、音楽:ダニー・エルフマン

 

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   ワンダーウーマンガル・ガドット様に引き続いて今作ではアクアマンが今後を期待させるいいキャラとして登場、演じるジェイソン・モモアは『ゲーム・オブ・スローンズ』でも強烈な印象だったので、嬉しいキャスティングだった。他のメタヒューマンたちも足が速いとか改造人間とかDCだけあって古典的なんだけどちゃんと魅力的だった。そんなスーパーヒーローたちが沢山出てくるというだけで、まんが祭りとして楽しいし、サブキャラの俳優陣もジェレミー・アイアンズエイミー・アダムスダイアン・レインコニー・ニールセンJ・K・シモンズと異常に豪華で祭りとして華やかだった。

 

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    ただし、ストーリーはびっくりするぐらいの予定調和で進行するし、予算かけているはずのCGもなぜかしょぼく、今までのシリーズの無駄に重厚な雰囲気の中に無理矢理にマーベル的部活感を醸し出そうとしている感じもしっくり来なかった。全体的にヒーローが多数登場してくるのを上手く仕切っているというよりは単なるダイジェストになってしまっているという部分も否めなかった。とは言え現行のラインナップにすでに馴染みが出来ちゃったし、先に書いたように充分楽しいので、仕切り直しとかせずに今後も続けて欲しいな、とは思うのだった。

 

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映画『ジャスティス・リーグ』予告編映像 - YouTube

 

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マイティ・ソー バトルロイヤル (2017・米)

     NYを訪れた雷神のソー(クリス・ヘムズワース)とロキ(トム・ヒドルストン)はドクター・ストレンジベネディクト・カンバーバッチ)の助力で故郷アスガルドから消えた父オーディンアンソニー・ホプキンス)と再会し、世界の終末〈ラグナロク〉が近づいていることを知らされるが、そこへ強大な闇の力を持つ女神ヘラ(ケイト・ブランシェット)が現れソーはグランドマスタージェフ・ゴールドブラム)の支配する惑星サカールへと飛ばされてしまう。ヘラはアスガルドへ向かい、門番スカージ(カール・アーバン)を配下につけて瞬く間に侵略し、ヘイムダルイドリス・エルバ)ら残党勢力も窮地に陥っていた。一方ソーたちは旧友ハルク(マーク・ラファロ)や元アスガルドの凄腕戦士ヴァルキリー(テッサ・トンプソン)と合流、サカールからの脱出を図るのだが。
監督:タイカ・ワイティティ、脚本:エリック・ピアソン、製作:ケヴィン・ファイギ、撮影監督:ハビエル・アギーレサロべ、プロダクションデザイナー:ダン・ヘナ、ラ・ヴィンセント、編集:ジョエル・ネグロン、ゼン・ベイカー、コスチュームデザイナー:マイェス・ルベオ、視覚効果:ジェイク・モリソン、音楽:マーク・マザースボウ。

 

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    楽しかった。それだけと言えばそれだけだけど宇宙船や異星人の大胆なデザインを導入して『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』の世界観と従来のマーベル世界の橋渡し的役回りまで担いつつ戦隊モノの女幹部みたいなコスでも許容されるところまで持ってきたマーベルの何でもアリぶりは驚愕。女幹部のコスチュームに関しては元々東映がマーベルと提携していた時期にジャック・カービーのデザインを戦隊モノで使用していたということらしいのだが、それにしても何とかアメコミの派手なデザインをシックに落とし込んで万人受けさせる為に腐心してきたことを考えると、現在のマーベルの自信は相当なものだと思えるよ。

 

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    あとピコピコ音のマーク・マザースボウのサントラはフレッシュだったし、ソーとロキのやおい感含んだ兄弟漫才を十二分に盛り込んだ辺りも分かってるいるな!というところで、こちらがマーベル映画に求める部分はちゃんと網羅してくれていた。不満があるとしたら浅野忠信の扱いか…。ヒーロー物の宿命として強さのインフレが進行し、初期の補助的ヒーローの居場所が消えていくというのがあるが、まあドラゴンボールヤムチャみたいにギャグキャラとして置かれるよりはいいのかも知れない。とは言えもう少し大事にしてあげて欲しかったよ…。それでいくと、ソーの彼女の扱いも酷かったけどね。

 

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    ストーリーはアスガルドの民が難民のメタファーになっているようなところもあって社会的な問題意識も一応感じさせる(?)が、事態の深刻さに比してノリはあくまで軽いし、市民がみんなで宇宙船に乗って大宇宙に漕ぎ出す展開は難民問題というより昔のSFノリなんだろうな。マクロスとかイデオン的な。

 

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映画『マイティ・ソー バトルロイヤル』日本版予告編 - YouTube 

 

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ライフ・ゴーズ・オン (双葉文庫) / 東山彰良

   立ち読みで冒頭だけ読んでSFだと思って買っていて、やっと読んだら団地小説だった。とは言えリアルな下層生活が捻た主人公の視点に更なる俯瞰を加えて描写されていて、その意味ではSF的だったかも。物語全体というより細かなエピソードやそのディテールが面白くて、子供世界の中での上位存在(外から見るとただのヤンキー)と接触する様子などはリアルだし笑えた。

 

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地球礁 (河出文庫) / R.A.ラファティ著、柳下毅一郎訳

    異星人なのか異民族、異教徒なのかどうとでも読み取れる「プーカ人」の物語。妄想と現実が曖昧なプーカの子供達の世界が単純にホラ話として抜群に面白く、そんな子供達の冒険小説としても楽しいし、終盤に向けて暴力と血にまみれた犯罪小説のようになっていくのも凄い。 やっぱりラファティって面白いんだなー、と改めて思ったのでそろそろ寝かせてたSFマガジンラファティ特集を読んでみないといけない。

 

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スリー・ビルボード (2017・英、米)

   ミズーリ州の田舎町エビング。何者かに娘を殺されたミルドレッド(フランシス・マクドーマンド)は一向に犯人を発見出来ない警察に業を煮やし、広告屋のレッド(ケイレブ・ランドリー・ジョーンズ)に依頼して町外れの道路脇に警察署長ウィロビー(ウディ・ハレルソン)を名指しで避難した三枚の巨大な広告看板を設置する。癌に侵され余命少ないウィロビーはそれに動じることなく淡々と職務や妻のアン(アビー・コーニッシュ)との生活を続けるが、彼を敬愛する暴力的なディクソン巡査(サム・ロックウェル)は看板に憤慨し、ミルドレッドへの執拗な嫌がらせを始める。ミルドレッドもまた犯人捜しと警察への非難を続け、三枚の看板が設置されたことで停滞していた事件は再び注目され、事態が様々な方向へと動き出す。

監督、脚本、製作:マーティン・マクドナー、製作:グレアム・ブロードベント、ピート・チャーニン、撮影監督:ベン・デイヴィス、編集:ジョン・グレゴリー、プロダクションデザイナー:インバル・ワインバーグ、音楽:カーター・バーウェル

 

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   少し突飛な登場人物たちや現代社会の問題に絡ませつつ物語が進行していく感じが黒沢清が時々撮るジャンル映画要素の無い作品みたいで、それなりに引き込まれるけどそんなに面白くはない、というのが大まかな感想。あとちょっとイヤな部分もあった。

 

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   良かったのは画面が美しく役者の演技が全員説得力があったのと、会話も面白いというところで、それで引き込まれて見ることが出来たとは思ったが、特にケイレブ・ランドリー・ジョーンズが今回も良かった。ピーター・ディンクレイジもいい味出してた。

 

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   しかし、いかにも〈三枚の巨体広告が設置される〉というアイデアありきで作っていったであろうことが伺える物語の作り方がちょっとあざとくて、どうだ上手いだろうと言われてるような気に勝手になってしまって、そこは苦手に感じた。キャラクターの設定、位置関係、起こる出来事、全てが上手いこと物語を運ぶ為の配置になっているのは上手いというより単なる御都合主義なんではないかという気がしないでもなかった。

 

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   それとイヤに感じた部分。ある性癖を隠して暴力的に振る舞う男がABBAを聴いているとか、逆に色々と物事を単純化していると感じてしまうし、ウィロビー署長の死の扱い方などはストーリーを転がす為の道具立てにしてしまっていて、嫌悪感すらあった。その点でいけばそもそもの出発点の事件すらその匂いが濃厚で、もちろん物語はあらゆる物事を推進力として利用するものだろうけれど、いかにも社会の問題について考えてます風の作品で、自身の振る舞いに無頓着な作り方をされると、そこに嫌悪感を覚えてしまう。あととんでもない暴力を受けたケイレブ君があっさりそれを赦して感動的な場面にするとか、それまでの酷い確執がいい感じで収まるとか、作品は主人公ミルドレッドの怒りで突き進むというのにそれ以外の恨み辛みを軽く見積もり過ぎだろうという気はした。

 

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   と、思い出してたらイヤなところが続々とでてくるが、突飛なキャラクターであらぬ方向へ物語が展開していく作りは連続テレビドラマとかだったら何も考えずに楽しく観られただろうなとは思ったし、実際観ている間は楽しんだので、キライとかではない。一応。

 

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アカデミー賞有力!映画『スリー・ビルボード』予告編 - YouTube

 

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