yudutarouログ

Twitter(ID:yudutarou)で観た映画を確認しようとしたら非常に面倒だったので、メモになるつぶやき(主に映画とか音楽)を移植。なので2014年まで時系列バラバラ。

NOPEノープ (2022年・米)

 アメリカの田舎町で牧場に怪奇現象が発生し、牧場主が謎の死を遂げる。怪奇現象の最中UFOらしき飛行物を目撃した牧場主の息子OJ(ダニエル・カルーヤ)は妹エメラルド(キキ・パーマー)、工具店の店員エンジェル(ブランドン・ペレア)とともに未確認飛行物体を撮影して一攫千金を狙う。

監督・脚本・製作:ジョーダン・ピール、製作:イアン・クーパー、撮影:ホイテ・ヴァン・ホイテマ、視覚効果監修:ギョーム・ロシェロン、音楽:マイケル・エイブルス。

 

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 思わせぶりな予告を観た時点で、前作『US』の内容と相まって、ジョーダン・ピールは正しく(?)シャマランの後継としての道程を歩み始めたのでは⁉︎と妄想したが、わりと当たっていた…。巨大円盤型生物襲来絵巻としての映像は実写版エヴァみたいで迫力があったので、これは劇場で観るべきだったかとも思った。ちゃんとそんな映画だって宣伝してくれてたら観に行ってたのに。

 

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 チンパンジーが撮影中にキレて大暴れというエピソードは、その後、生き残ったジュープ(スティーブン・ユァン)が他の生命を意のままに操れば罰が下るという教訓を活かせないで悲惨な末路を辿る件と、それがそのまま有色人種への扱いのメタファーだったりする件として、テーマ的に本編に絡んではくるけど、それが有機的に一本の映画に結合せず、意識高いことをやっている映画とB級のノリでやっている映画を並行して観ているような気分になってしまった。それは黒人が映画誕生の始めから映画に存在していたにも関わらず疎外されてきた、というエピソードも同様で、そこらあたりの思わせぶりに色々やっているけど、総体として散らかっている感じは、味といえば味だが、やはり少し物足りない。西部劇を取り入れたりというのも、あまり消化されていない印象だったり。

 

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 とはいえ今作のように色々と現代的テーマやジャンル横断的なアレコレを詰め込んで提示しないと巨大生命体襲来なんて映画を今どき予算を掛けては作れないだろうし、実際に力の入ったSF的スペクタル映像を見せてくれたので、当然に楽しませてはもらったのだった。なので有り難いし、文句をつける気は毛頭ないんだけど、楽しかった分、もっとこうだったらという欲張りなオタクの欲求がムクムクと湧いてきちゃうのだった。

 

映画『NOPE/ノープ』予告編 - YouTube

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